干支の逆引きについて

概要

 干支(かんし/えと)にちなんだ地名や歴史的事件名などが結構あるが、そこから逆算して年代を推測できると便利なのでは?と思ったので考察してみた。
 ちなみに干支は、「えと」としてお馴染みの子、丑、寅・・・ではなく、甲子、戊辰、辛亥・・・の方をいうので注意。

干支の逆引き

十干と十二支の一覧

十干

番号 十干 音読み 訓読み
0 こう きのえ
1 おつ きのと
2 へい ひのえ
3 てい ひのと
4 つちのえ
5 つちのと
6 こう かのえ
7 しん かのと
8 じん みずのえ
9 みずのと

十二支

番号 十二支 音読み 訓読み
0
1 ちゅう うし
2 いん とら
3 ぼう
4 しん たつ
5
6 うま
7 ひつじ
8 しん さる
9 ゆう とり
10 じゅつ いぬ
11 がい

逆算方法

逆算式

 逆算式は以下の通り、十干と十二支の番号をそれぞれ当てはめると算出できる

 10の位 = (十干 - 十二支) mod 12 / 2
 1の位 = 十干
 干支番号 = 上で算出した数に1を足す

  • 甲子園でお馴染みの「甲子」
     10の位 = (0 - 0) mod 12 / 2 = 0
     1の位 = 0
     干支番号 = 0 + 1 = 1
     よって、干支番号は1

  • 辛亥革命でお馴染みの「辛亥」
     10の位 = (7 - 11) mod 12 / 2 = 8 / 2 = 4
     1の位 = 7
     干支番号 = 47 + 1 = 48
     よって干支番号は48

  • 甲午農民戦争でお馴染みの「甲午」
     10の位 = (0 - 6) mod 12 / 2 = 6 / 2 = 3
     1の位 = 0
     干支番号 = 30 + 1 = 31
     よって干支番号は31

modについて

 modは簡単に言うと割った時のあまりのことである。ただし、マイナスの場合にも定義されることに注意。
 例えば、以下のような感じになる。
 25 mod 12 = 1
 -4 mod 12 = 8

順方向

干支番号から干支の算出

 一応順方向についても記述しておく。
 干支番号から干支の算出は簡単で以下の通り

 干支番号から1を引いたものについて考える。
 十干  = 1の位から算出
 十二支 = (10の位 + 1の位)から算出
 久しぶりに見直したら明らかにおかしかったので修正。(2019/03/10)
 十干  = 干支番号 mod 10
 十二支 = 干支番号 mod 12

  • 「辛亥」
     干支番号は上記の通り48なので、47を元に計算する。
     十干  = 7 = 辛
     十二支 = 4 + 7 = 11 = 亥
     十干  = 47 mod 10 = 7 = 辛
     十二支 = 47 mod 12 = 11 = 亥
     修正(2019/03/10)

  • 「丙午」
     干支番号は43なので、42を元に計算する。
     干支  = 2 = 丙
     十二支 = 4 + 2 = 6 = 午
     干支  = 42 mod 10 = 2 = 丙
     十二支 = 42 mod 12 = 6 = 午
     修正(2019/03/10)
    なぜ偶々成功する例を2つ引いてしまったのだろうか・・・

年の予測

還暦について

 年の予測の前に還暦について説明する。60歳のお祝いで還暦というものがあるが、これはこの干支が一回りした際のお祝いとして行われる。
 十干(10)と十二支(12)の組み合わせは、全部で120通り存在するが、干支としてカウントされるのは半分だけである。この組み合わせが存在するパターンと存在しないパターンの違いは、組み合わせが偶数同士、奇数同士に限定される所にある。
 つまり、甲(0)、丙(2)、戊(4)、庚(6)、壬(8)は、子(0)、寅(2), 辰(4), 午(6), 申(8), 戌(10)との組み合わせは存在するが、丑(1), 卯(3), 巳(5), 未(7), 酉(9), 亥(11)との組み合わせは存在しないということである。乙(1)、丁(3)、己(5)、辛(7)、癸(9)の場合は、その逆となる。

予測

 60で一回りすることを応用して、ある程度の年代の予測が可能である、例えば、私の誕生年である1988年は戊辰であったので、戊辰戦争は、1988から60の倍数となるはずである。実際に、戊辰戦争の開戦は1868年なので、1988年のちょうど120年前である。
 地名とか、建物とかに干支が入っている場合、大体その年に作られたかなんかしたものだと思うので、ある程度の年を予測できるのではなかろうか。甲子園とか甲子温泉とか庚申塚、辛亥革命などなど・・・

十干の覚え方

 十二支はともかく、十干を覚えるのはきつい。甲乙丙丁まではいいとしても、それ以降は馴染みがなく覚えづらい。
 ベストな方法は知らないが、五行(木火土金水)と絡めて覚えるのが、一番いい気がする。
 甲(きのえ)は、木の兄で「きのえ」であり、乙(きのと)は、木の弟で「きのと」である。十干は兄弟(えと)の順で並んでいるので、五行の相生を木を起点として覚えればいい。
 正直なところ、この方法の場合、五行を新たに覚える必要があり、敷居は結構高い。私の場合は「デモンズゲート」というゲームで相剋関係を覚えていたので、この方法でなんとか順番を把握することができたという感じである。

参照